62897直感的な操作で演奏・作曲できる音楽ガジェット「ORBA」が「2」へ進化

直感的な操作で演奏・作曲できる音楽ガジェット「ORBA」が「2」へ進化

男の隠れ家編集部
編集部
手のひらサイズの音楽制作ガジェット「ORBA」が「2」へと進化した。手頃な価格で購入でき、「誰でもミュージシャン」の扉を開くこの音楽ガジェットの楽しみ方と、今回進化したポイントを「男の隠れ家デジタル」編集部がご紹介しよう。
目次

直感的な操作で誰でも演奏・作曲が楽しめる

まるで柑橘類のフルーツを半分に割ったような形をしているORBAは、単体で様々な音を発するシンセサイザーであり、それらの音の組み合わせを記録して再生できる楽曲作成ツールでもあり、さらに各種電子楽器間でやり取りされる「MIDI」と呼ばれる演奏情報を指先で感覚的に制御できるコントローラーにもなる。

ORBAを開発したArtiphon(アーティフォン)は、直感的な操作で音楽演奏が楽しめるユニークなデバイスやアプリを手掛ける米国の企業で、その最初の製品であるギター風電子楽器/MIDIコントローラー「INSTRUMENT 1」は、クラウドファンディングのkickstarterで130万ドル(現在のレートで約1億7000万円)を超える支援を集めた。

ギターのフレットボードのようなINSTRUMENT 1よりも、さらに小さくて価格も手頃なORBAは、誰でも手軽に楽しめるデバイスとして、音楽作成のハードルを限りなく地面に近いところまで引き下げたと言えるだろう。音楽理論や楽器演奏のスキルを一切持たなくても、手にした黒い半球体の「切り口」に備わるパッドを押したりこすったり、あるいは本体を振ったり回したり叩いたりするだけで、自分のオリジナルな音楽を演奏・作曲することが可能だ。

4つのパートを組み合わせてオリジナルの楽曲を作成

そうやってできることは、単に思いついたメロディを奏でるだけに留まらない。ORBAでは、「ドラム」「ベース」「コード」「リード」という4つのパートを重ねてオリジナルの楽曲を仕上げることができる。1から8まで番号が振られたパッドには、ドラムセットを構成する様々な打楽器の音や、ペンタトニックスケールと呼ばれる5つの音階が割り当てられている。コードはルート音を選ぶだけで、自動的に複数の音を組み合わせた和音になる。音階は半音ずつのクロマチックではなく、日本人にも馴染み深い「ドレミソラ」のみなので、ジャズのアドリブのような演奏は難しいものの、逆に言うと何をやってもハズレた音にはならない。つまり、音楽理論をまったく知らなくても、きちんとした(聞き苦しくない)曲を作ることができるはずだ。

メトロノームに合わせて順番にドラム、ベース、コードによるバックの演奏を記録しておき、それらを再生しながら即興でタップしてメロディを奏で、さらに感情の赴くままに本体を振ったり傾けたりしてビブラートなどの効果を加えれば、立派なライブパフォーマンスにもなる。充電式リチウムポリマーバッテリーを内蔵しているので、野外でも最長4時間程度の演奏や楽曲作成が可能だ。

新たにサンプリング機能も搭載

従来のORBAでは、記録できる小節数が8小節に限られていたため、20〜30秒程度の短いループしか作成できなかったが、今回新たに発表されたORBA 2では128小節へと大幅に拡張されたことで、最長5分程度の楽曲を1曲まるまる記録することが可能になった。

また、タップしたり叩いたりしてリアルタイムで入力した音のリズムのズレを補正するクォンタイズと呼ばれる機能も新たに搭載された。少々リズム感に自信のない人でも、正確なビートを打ち込むことができる。

もう1つ、ORBA 2で追加された機能が現実音のサンプリングだ。下の動画でわかるように、人の掛け声や自転車のベル音など、実際に聞こえる様々な音を取り込み、その音を楽器として使用することができるようになった。たとえば、周囲にあるガラスや金属の物体を叩いた音だけで作ったリズムを繰り返し鳴らすことも可能だし、愛犬の鳴き声でメロディを歌わせることもできるというわけだ。

アプリと組み合わせれば楽しみ方が広がる

スピーカーを内蔵しているORBAは、単体で演奏や楽曲作成が楽しめるが、コンピューターやスマートフォンとBluetoothやUSBで接続し、MIDI対応電子楽器やソフトウェア音源のコントローラーとして使うこともできる。DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)と呼ばれる音楽作成ソフトを使用している人であれば、ORBAの特徴である直感的な演奏方法が、そのまま多彩な音源に適用できるので、楽曲にエモーショナルな演奏表現を付加するためのツールとしても活躍するだろう。

様々なアプリと連携させれば、楽しみ方はさらに広がる。PC用無料アプリの「ORBASYNTH」を使えば、プリセットサウンドを自分でカスタマイズすることも可能だ。iPhoneユーザーであれば「Orbacam」という専用アプリを使い、ORBAで作成した音楽に動画や写真を同期させ、様々なエフェクトを追加して簡単にミュージックビデオを作り上げることもできる。SNSで昨今流行のショート動画を投稿する際、手軽にオリジナルBGMを付け足したいと思っていた人にはぴったりだ。

価格は、従来のORBAが99.99ドル(約1万3000円)であるのに対し、ORBA 2は149.99ドル(約2万円)と50%ほどアップ。とはいえ、音楽を聴くだけに留まらず、演奏する楽しみ、作曲する楽しみ、さらにはそれを誰かに聞かせる喜びを知るためのツールとしては、依然として手頃な金額で入手できる物の1つである。日本でも代理店のMedia Integration, Inc.より、近々発売される見込みだ。

▼あわせて読みたい

編集部
編集部

いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る