81239雑誌「男の隠れ家」編集部が選んだいいもの。美しい刃先と切れ味に魅了される、實光刃物「刺身包丁」

雑誌「男の隠れ家」編集部が選んだいいもの。美しい刃先と切れ味に魅了される、實光刃物「刺身包丁」

男の隠れ家編集部
編集部

■「良い包丁は食材を生かし、料理人を活かす」

●實光刃物(大阪府)×刺身包丁

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

日本各地に刃物の生産地は数あれど、大阪・堺の刃物は料理人に人気が高い。その由来は江戸時代のたばこ包丁にある。繊維の強いたばこの葉を刻むためのたばこ包丁は切れ味も良く、また、たばこが幕府の専売品だったこともあり、知る人ぞ知る職人の包丁として受け継がれてきた。

實光刃物は明治33年(1900)より、このたばこ包丁を作り続けてきた老舗。玄人好みの包丁から、一般向けの包丁まで幅広く展開してきた。現在でも鍛治、研削、刃付け、柄付けなど包丁製造のほぼ全行程を手作業で行っている職人の工房だ。

鍛治において職人の力加減はかなり重要になる。ヒビが入ったら初めからやり直しといっても過言ではない。

そのこだわりの一つが複雑な形状を生み出す研削技術。料理人用の和包丁は片刃の包丁が主流だが、この片刃は表面にだけ刃が付いており、刃先は非常に鋭利になっている。これは食材を潰さずに切るためで、料理人からすれば食材を潰してしまうと見た目はもちろん、味も変わるからだ。

さらに裏面はわずかに湾曲させて「裏スキ」と呼ばれるくぼみを作ることで、切った食材が包丁から離れやすくなる。この細かな研削は、機械では到底できるものではなく、實光刃物の職人だからこそできる技だ。

和食を代表する刺身、つまり生の魚を切り、丁寧に盛り付ける際には、この刃物包丁が欠かせない。中でも實光刃物自慢の「本焼き」の刺身包丁は板前が憧れる一品。本焼きとは、もともとは鋼のみで焼き上げる製法で、つなぎとなる地金がない分、タガネを入れた際に割れやすく職人でも作るのが難しい包丁だ。

刃の歪みも徹底的に確認。歪みがあると研磨しにくくなるだけでなく、刃への負担がうまくかからなくなる。

現在はより扱いやすく、サビにくいステンレス系鋼材という鋼由来の金属が使われている。それでも絶妙な力加減を要する作業はやはり手作業でしかできないだろう。

完成した本焼きの包丁は鋼本来の硬さがあり、丈夫で切れ味が持続するというメリットがある。さらに料理人に人気なのは刀のようなその波紋の美しさである。見るものをうっとりさせるその包丁は、もはや芸術品といえよう。

刺身包丁(本焼銀三)

【商品概要】
製品名:刺身包丁(本焼銀三)
価 格:11万3300円~
サイズ:240mm~360mm
素 材:ステンレス

實光刃物(じっこうはもの)
大阪府堺市堺区錦之町西1-1-9
TEL:072-229-2244
公式HP:實光刃物

▼あわせて読みたい

編集部
編集部

いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る