66722【エリッゼステーク】燕三条の職人技に見る、使いやすさ抜群の“鍛造ペグ”の凄さとは?

【エリッゼステーク】燕三条の職人技に見る、使いやすさ抜群の“鍛造ペグ”の凄さとは?

編集部

前回お届けした鉈を造る日野浦刃物工房に引き続き、燕三条の職人を訪ねた。

■人気のエリッゼステークは、どう作られているのか

次いで山谷産業に向かう。ここは製造業ではなく元々は卸問屋だ。燕三条の職人たちと組んでさまざまなアウトドアギアを開発し、各企業の良質な道具と共にECサイト「村の鍛冶屋」で販売している。本社併設のショップは聖地巡礼者たちが必ず訪れる場だ。

欲しかった道具がいくつもある。カードサイズに畳めるコンロや、四角い銅のフライパンなど、魅力的なオリジナル製品もいろいろ。ここには日野浦刃物工房の鉈や包丁も並んでいる。ほとんどの品を店内のキッチン設備や店外の庭で試せるというのも嬉しい。

燕三条産のアウトドアギアの数々が揃う山谷産業のショップ。

村の鍛冶屋の名を広く知らしめたのが鍛造ペグ「エリッゼステーク」だ。断面が楕円形なので、しっかり固定でき、抜くのも楽。

「キャンプ好きの弟(専務)が、使いやすいペグを作りたいと言い、一緒に形状を考えていきました」と社長の山谷武範さん。

どう作っているのか? 山谷さんの案内で、製造を受け持つ丸山鍛工所を見に行く。

近づくとドスンドスンと腹に響く音が聞こえる。地面も揺れているのがわかる。1100℃まで熱した鉄の丸棒に、ドロップハンマーで1.2tの圧をかけて成型しているのだ。

右がドロップハンマー、左がプレス機。それぞれ1人で扱う。

「今作っているのは長さ18㎝のもの。28㎝のペグには2tハンマーを使います」と丸山敏昭社長。

横のプレス機ではペグ本体の周囲にはみ出た不要な部分を抜いていく。2人の職人の打つ・抜く作業が、途切れることのないリズムで見事に連携する。

「エリッゼステークの強度は、鍛造でしか出せません」と山谷さん。非常に重要な工程なのだ。穴を抜いたり、色を付けたりするのは地域の別企業での分業となる。

多くのキャンパーに愛されている“エリステ”。信頼度の根拠を目の当たりにした。

冷めるまで時間がかかると軟らかくなり、水などで急冷すると硬くもろくなるためプレス後は扇風機の風を当てている。
金型は地域の専門業者が作る。しかし現場で調整して初めて使えるものになる。一つの型で2本のペグを打つ。

【取材協力】
山谷産業

漁具問屋から始まり、現在はアウトドアギアに注力。写真左が山谷武範さん、右は丸山敏昭さん。
新潟県三条市北入蔵2-2-57
TEL:0256-38-5635

文/秋川ゆか 写真/島崎信一

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