105333日常に溶け込む異空間「珈琲舎・書肆アラビク」|くつろぎのブックカフェ&バー

日常に溶け込む異空間「珈琲舎・書肆アラビク」|くつろぎのブックカフェ&バー

男の隠れ家編集部
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外出先で書斎のように落ち着ける空間があると、どんなに良いだろう。書と向き合う、至福の一人時間をいつもと違う環境で味わいたい。

■人形たちが迎えてくれる不思議な異空間へ

狭い路地に残る昭和レトロな街並みが人気の中崎町。個性的な店が並ぶ中で、ひときわ目を引くのが「珈琲舎・書肆アラビク」だ。

引き戸を開ければ、まさにそこは異空間。ひしめくように本が並び、天井にはシャンデリア、店のそこかしこに人形たちが静かに座っている。まるで時間が止まったような不思議な感覚に襲われる。

店内奥のギャラリーでは人形や絵画作品を常設展示&販売している。作家にフォーカスした企画展も随時開催しており、国内外の人形作家の作品に出合うことができる。写真の人形は人形作家・森馨作。

「本と珈琲の店を」と店主の森内 憲さんが2017年にオープン。人形の専門誌のバックナンバーを引き取ったことをきっかけに、人形や人形作家を紹介するようになった。今では現代作家の人形から戦前の市松人形まで、さまざまな人形を展示、企画展なども行っている。

「人形はプリミティブなもので可愛がる対象でもあります。また、子どもの成長を願う市松人形など、祈りや呪術という側面もある。アートにはなりえないからこその魅力が人形にはあります」

人形や大阪文学に詳しい森内さん。店主とのおしゃべりを楽しみに訪れる人も多い。

本は古書を中心に近代文学から美術書まで幅広く、店主は大阪の文学にも造詣が深い。建物は昭和初期の長屋で当時のままの雰囲気を残している。同時代のアンティーク家具と調和し、じつに居心地がいい。

20代から70代まで、幅広い層が訪れるという。本を求めてくる人、珈琲を飲みにくる人、中には通ううちに人形コレクターになる人も。日常の風景にスッと溶け込む不思議な異空間に浸かりながら、ゆっくりと本のページをめくりたい。

深煎珈琲に角砂糖にたっぷりのカルバドスを加えて炎を灯すカフェ・ロワイヤルなど、アレンジ珈琲も楽しめる。
人形の専門書も充実、研究論文の資料を求めて大学生が訪れることも。

■この店で読みたい

●愛玩拒否の人形 土井典とその時代

榊山裕子/DFJプレス

人形作家の土井典は、三島由紀夫の写真集や寺山修司の舞台美術を手がけたアーティストでもある。「彼女をフォーカスすることで、人形の真価を明らかにする意欲作です」。

珈琲舎・書肆アラビク
大阪府大阪市北区中崎3-2-14
TEL/06-7500-5519
営業時間/13:30~21:00
定休日/水曜(火曜不定休) 
アクセス/大阪メトロ「中崎町駅」より徒歩約3分

文/いしだかおり 撮影/渡部健五

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