手軽にWebサービスを公開できるレンタルサーバーは、一般的には月額費用・初期費用・更新費用などの料金を支払い借りるのが一般的だ。容量や機能に応じて複数の有料プランが用意されているが、中には月額費用が無料のレンタルサーバーも提供されている。
そこで本記事では、無料で使えるレンタルサーバーを選ぶ際のチェックポイントと、おすすめの無料サーバーを厳選して紹介する。
無料レンタルサーバーおすすめ5選
XREA
GMOデジロック株式会社が運営する『XREA』は、容量は少ないものの無料で使えるSSLなどの機能が魅力的な無料レンタルサーバーだ。広告はあらゆる媒体で表示されてしまうものの、表示場所は自由に選ぶことができるため、レイアウトを気にする方でもその点は安心できるだろう。
他の無料レンタルサーバーとの最大の違いは、“Perl”や“Python”などのプログラミング言語を使用できる点だ。老舗のレンタルサーバー会社が運営しているという安心感もあるため、多くの方がセキュリティ面も含めて安心して利用できる。
商品名 | XREA |
容量 | 1GB |
マルチドメイン | 〇 |
転送量 | 1日1GB |
サポート体制 | チャットサポート |
広告表示 | あり |
Xfree
エックスサーバー株式会社が運営する『Xfree』は、さまざまな利用目的で使えるプランを提供する無料レンタルサーバーだ。容量が1GBから2GBと少ない欠点はあるものの、独自ドメイン対応、無料SSL対応、オールSSDで快適環境を構築できるなど、さまざまな面で使い勝手がいい。
また、HTMLサーバー機能を使えば広告も表示されないため、無料レンタルサーバーでありながら広告非表示でWebサービスを運営することもできる。専用の高速システムが搭載されているWordPress専用プランもあるため、手軽にブログやホームページを運営したい方にはおすすめだ。
商品名 | Xfree |
容量 | HTMLサーバー機能:1GB PHP・MySQLサーバー機能:1GB WordPress機能:2GB |
独自ドメイン | HTMLサーバー機能:10個 PHP・MySQLサーバー機能:10個 WordPress機能:5個 |
サブドメイン | HTMLサーバー機能:50個 PHP・MySQLサーバー機能:50個 WordPress機能:‐‐ |
WordPress | HTMLサーバー機能:× PHP・MySQLサーバー機能:〇 WordPress機能:〇 |
広告表示 | HTMLサーバー機能:なし PHP・MySQLサーバー機能:あり WordPress機能:あり |
TOK2
株式会社セブンアーチザンが運営する『TOK2』は、容量無制限で利用できる無料レンタルサーバーだ。
最大のメリットは、無料でありながら容量が無制限である点。ファイルサイズの上限は設定されているが、容量は気にせずブログやホームページを作ることができる。また、独自のCGIを設置することができるため、PERLやPHPを用いて自在なサイト作りが可能。ファイルマネージャー機能を使い、簡単にアップロードできる。
無料版は広告が付いてくるが、月額200円からの有料版に切り替えれば広告を非表示にすることが可能。目的に合わせてプランを変更していこう。
商品名 | TOK2 |
容量 | 無制限 |
CGI | 〇 |
PHP | 〇 |
商用利用 | 〇 |
広告表示 | あり |
スターサーバーフリー
ネットオウル株式会社が運営する『スターサーバーフリー』は、Webサービスの用途に応じて3つのプランから選ぶことができる無料レンタルサーバーだ。
広告が表示されないフリー、容量を増加できるが広告が表示されるプラン、同じく広告は表示されるがPHP・MySQLに対応しているプランの3種類に分類されている。とはいえ、広告が表示されるのはスマートフォンからアクセスした場合のみなので、パソコンからのアクセスであればいずれのプランでも広告は表示されない。
各種CMSに対応したプランであればWordPressを導入できるため、手間なくブログやホームページを開設したい方におすすめだ。
商品名 | スターサーバーフリー |
容量 | フリー:2GB フリー(容量増加):4GB フリー(PHP+MySQL):2GB |
独自ドメイン | フリー:1個 フリー(容量増加):1個 フリー(PHP+MySQL):1個 |
サブドメイン | フリー:50個 フリー(容量増加):50個 フリー(PHP+MySQL):50個 |
WordPress | フリー:– フリー(容量増加):– フリー(PHP+MySQL):〇 |
広告表示 | フリー:なし フリー(容量増加):あり フリー(PHP+MySQL):あり |
忍者ホームページ
忍者ツールズ株式会社が運営する『忍者ホームページ』は、日本一シンプルで使いやすいと謳う無料のレンタルサーバーだ。無料でありながら独自ドメインを利用可能。また、商用利用ができるため、アフィリエイトリンクをコンテンツ内で表示することもできる。
1つのアカウントで最大10個までホームページを作れるため、無料でWebサービスを量産することも可能だ。容量はやや少ないが、FTPS接続対応でセキュリティ面も申し分ない。
商品名 | 忍者ホームページ |
容量 | 500MB |
独自ドメイン | 〇 |
サブドメイン | 〇 |
商用利用 | 〇 |
広告表示 | あり |
無料レンタルサーバーを選ぶ時のチェックポイント
レンタルサーバーを提供する企業は数多くあるが、中には月額料金がかからず、完全無料で利用できる場合もある。
無料サーバーは、機能・サポート体制・転送量・速度など、あらゆる面で有料サーバーとは違いがあるため、無料レンタルサーバーを選ぶ際は以下の点をチェックしてほしい。
広告表示
無料レンタルサーバーを利用する際は、広告表示の有無を確認してほしい。レンタルサーバー会社は無料でサーバーを提供しているが、サービスを維持・運用するためにはコストがかかる。そのコストは、Webページに表示する広告から収入を得ている。
無料レンタルサーバーの中には、無料で使える代わりに広告が表示されることがある。そのため、自社のWebサービスでありながらレイアウトを自由に設定できないことがあるのだ。
また、Webサービスの内容に適していない広告が表示される可能性もあるため、無料レンタルサーバーを使う際は、必ず広告表示の有無をチェックするようにしたい。
商用利用
無料レンタルサーバーの中には、ECサイトやアフィリエイトサイトなどの商用利用を制限している場合がある。仮にできたとしても制限が付いているケースも少なくない。
有料レンタルサーバーは商用利用を許可しているケースがほとんどであるため、Webサービスで収益を得たいと考えている場合は無料レンタルサーバーは不向きだといえる。
もちろん、無料レンタルサーバーを使う目的が商用でなければ問題ないが、アフィリエイトリンクを設置したいなどを考えている場合は、事前に利用規約を確認しておこう。
独自ドメイン
有料レンタルサーバーは独自ドメインを利用できるのが一般的だが、無料サーバーの場合は利用不可の場合もあるため注意が必要だ。
独自ドメインはサーバーに依存しないが無料ドメインは依存するため、もしも無料レンタルサーバーのサービスが終了した場合に使用不可となる。そうなると、今までWebサービス内で公開していた全コンテンツがなくなるため、これまでの努力が全て無に帰すといっても過言ではない。
また、個人ではなく法人で利用する場合は、独自ドメインでなければユーザーから不信感を持たれるリスクがあり、検索エンジンからの評価も弱くなる。独自ドメインでの運用は不可欠な要素ともいえるため、必ず無料レンタルサーバーを利用する際は対応しているかどうかを確認しておこう。
ディスク容量
ディスク容量が少ない無料レンタルサーバーを利用すると、画像や動画のファイル数が多くなるとすぐに上限に到達してしまう可能性がある。無料サーバーは有料サーバーに比べてディスク容量が少ないため、公開予定のWebサービスでどれ位の容量が必要かは事前に想定しておくとよいだろう。
また、ディスク容量の他には転送量もチェックしておく必要がある。転送量が少ないサーバーだと、閲覧に制限がかかる・ページを開くのに時間がかかるなどのデメリットがあるため、ユーザーの離脱率が上がりやすくなってしまう。
当然の話ではあるが、無料サーバーは有料サーバーに比べてこの点は劣っている。ユーザービリティを意識するのであれば、間違いなく有料サーバーの方がおすすめだ。
無料レンタルサーバーをおすすめしたい人の特徴
最後に、有料ではなく無料のレンタルサーバーをおすすめしたい人の特徴を紹介していこう。
Webサービスを作る勉強をしたい
Webサービスを構築する勉強をしている方は、有料ではなく無料のレンタルサーバーを借りる方がいいだろう。プログラミング言語やデザインを勉強している方は、申し込みから実際にWebサービスを立ち上げるまでの流れを自分で行ってみた方が勉強になる。
上記で紹介したレンタルサーバーは、契約しても費用は発生しないため、Webサービスを作るための練習には最適な環境だ。
仲間だけで利用できるサイトを作りたい
閲覧する人が限られているのであれば、容量が少ない無料レンタルサーバーでも十分にカバーできる。仲間だけで見るサイトなどは有料ではなく無料サーバーがいいだろう。
他にも、一時的な情報共有をするため、コミュニティ内で使うだけ、小規模な地域にだけ公開など、少ない容量でも問題ない範囲であれば、無料の方がコスパがよい。
まとめ
無料レンタルサーバーを選ぶ時のチェックポイントや、おすすめの無料サーバーを紹介してきたが参考になっただろうか。
有料サーバーに比べて機能や容量は劣るが、Webサービスの用途や目的によっては、わざわざ費用を払わずとも無料サーバーで運用できるケースもある。無料レンタルサーバーを探している方は、ぜひ上記で紹介した5つのサーバーをチェックしていただき、用途に適したものを検討してみよう。
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