誰しもが一度は憧れを抱く、自分の好きなモノだけに囲まれた趣味部屋。限られた空間に所狭しと並んだコレクションは、ギターにバイク、模型、スニーカー、植物など主人の個性によってさまざまだ。
趣味を追求することで生まれる空間と時間、それはミニマリズムの対極にある究極のマキシマリズム。情熱とロマンあふれる特別な部屋を紹介しよう。
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2025年10月号に掲載されたものです。
■「珍しいものを見かけるとついつい増えてしまいます」
●工藤さん/@sakanakudo
●生き物と工作への愛着が室内の隅々にまで横溢
ここは私設の小さな水族館か?
工藤さん宅の6.7畳の自室は、いくつも組み合わされた水槽にデンキナマズ、オコゼ、ティラピア、大型エビ……。7頭のヘビやイモリ、カメ、サソリなどもいる。さらに魚と動物の標本もずらり。
秋田の田園地帯で育った少年時代から、田んぼや林、川の生き物に親しんできたそうだ。

「ゲームなど一切しないで、友達と魚釣りと虫捕りばかり。金魚や熱帯魚を飼い始めたのも小学生からでしたね」
加えて工作も得意だった。そして水産系大学に進学して一人暮らしになり、生き物+工作の面白さにハマった。最初は樹脂に水棲昆虫などを封じ込める標本作りから始まったそうだが……。
「自分の部屋を、大好きだった水族館や博物館みたいにしたい欲が止まらなくなったんですよね」
“好き”に導かれて鮮魚店を展開する大手に就職してからは、その熱に一層拍車がかかった。大きな魚、珍しい魚が入るとテンションも上がり、骨は標本用に持ち帰る。

鮭やイクラ用の木箱も味わい深く、水槽工作に持ってこいだ。小型熱帯魚のアパート、ブラウン管テレビ改造水槽なども自作した。
「休日はホームセンターとリサイクルショップ通いです(笑)」
鹿や熊の頭骨、鳥などは狩猟免許を持つ友人に送ってもらって標本にしているそうだ。また、ヘビや甲殻類は脱皮する。脱いだ皮ももちろん取っておく。

「ここにいるのは比較的強靱なものばかり。室温管理もとくにしないし、数泊の旅に出たりもします」
哺乳類と違い、魚や爬虫類は餌には喜ぶが懐くことはない。その距離感がいいのだと工藤さん。
「意思疎通がないから疲れないんですね。世話を終えて、ぼうっと眺めていると癒されます」
夫婦で暮らす今、生き物は基本的にこの部屋の中だけにとどめている。とはいえ集合住宅での1部屋ではそろそろ限界に近くなった。戸建てに住んで庭には池を──。それが工藤さんの次なる野望だ。





■生き物と過ごす毎日 魚屋は天職!
水棲生物好きで接客も好きな工藤さんにとって、職場の鮮魚店での日々も楽しい。さばいた大型魚は標本材料に。入荷品に混ざる、珍しいエビやヤドカリを見つけることも。

■SNSでも話題の自作水槽
フリマアプリで見つけたブラウン管テレビの中にセットした水槽はテレビ番組でも紹介された。まるで超高精度映像のようだ。ブルーの背景にゆったり泳ぐ姿を楽しんでいる。

●BEST ONE!
10年以上連れ添う郷里で捕まえたアオダイショウ
実家近くで11年ほど前に捕まえたアオダイショウはずいぶん大きくなった。コルクを貼った特製ケージで飼う。「色も姿もかっこいいでしょう?」

●ROOM DATA
広さ/9.72㎡
使用年数/3年
趣味/生物飼育、標本作成
文/秋川ゆか 撮影/森本真哉
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