78835長門湯本温泉の街歩きを楽しむ|界を愉しみ尽くす vol.3(山口県)

長門湯本温泉の街歩きを楽しむ|界を愉しみ尽くす vol.3(山口県)

男の隠れ家編集部
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【界(KAI)とは?】
星野リゾートが全国に展開する温泉旅館。ご当地の魅力に出会える宿として日本各地の温泉地22カ所に拠点を持つ。

歴史とモダンが溶け合う大人の楽しみを満たす宿

音信川に設置された川床で瀬音を耳に過ごす。湯上がりビールも楽しめる。

さわさわと囁くように耳に届く竹林の葉ずれの音。薄暮を迎える時間帯になるとその竹林の路には灯りがともり、より情緒を深めてくる。

目の前の音信川には「おとずれ川テラス」と命名された川床がところどころに設えられ、渓流のせせらぎに包まれて過ごす時間に彩りを添える。

湯上がりに浴衣でそぞろ歩いていたのは長門湯本温泉の温泉街。住吉大明神のお告げで発見された“神授の湯”として開湯600年の歴史を誇り、江戸時代には歴代の毛利藩主が湯治に訪れたという名湯である。

アルカリ性単純泉のつるりとした手触りは美肌の湯。窓の外に露天風呂が見える。

共同浴場の「恩湯」を中心に昔ながらの風情とモダンが交わる温泉街は、2020年にリニューアルした。歴史を守りながら新たな再生へと向け、長門市が主体となって2014年に「長門湯本観光まちづくり計画」がスタートした。

そしてその中心的な役割を果したのが「星野リゾート」で、豊かな自然と土地の魅力を最大限に生かす再整備をさまざまに提案、音信川を身近に感じられる川床や飛び石などの設置もその一つ。

緑を背景に床の間をイメージしたロビー。
藩主が休む部屋を表現した客室。
トラベルライブラリー。
宿泊客以外でも利用できる「あけぼのカフェ」はどらやきが名物。

この計画の一環で開業した「界 長門」のコンセプトは「藩主の御茶屋屋敷」。ロビーには床の間飾りを表現した空間が広がり、客室も武家文化を生かして藩主が休む寝台をイメージ。

部屋は「長門五彩の間」と名付け、徳地和紙や萩焼など山口県の伝統工芸等の5つ(五彩)をあしらっている。

赤間硯の作硯家・日枝陽一さんの指導で、硯づくり体験を。30センチほどの大きなノミで、赤間石を「削る」「磨く」を体験できる。
日枝さんは採石から製作まで行っている。
ご当地楽では、赤間硯で墨をすって言葉を綴る「おとなの墨あそび」のひと時を。

さらに、県の伝統工芸「赤間硯」に触れるひと時を体感。墨をすってその独特の芳香を感じながら文字を綴ったり、さらに本格的に職人から硯づくりを伝授してもらう貴重な体験も人気を呼んでいる。

落ち着いた大人の楽しみ…。空間も食も体験も、そして街歩きも、「界 長門」はそんな言葉がよく似合う。

特別会席から。先付け。
牛と旬野菜の瓦焼き。地元の旬の食材を中心に、目にも舌にも麗しい逸品が供される。

界 長門

山口県長門市深川湯本2229-1
料金:1泊2食付き 3万2000円~(1名)
問い合わせ・予約:0570-073-011(9:30 AM~6:00 PM)
公式HP:界 長門

文/岩谷雪美 撮影/秋 武生

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