リモートワークの最新事情

そもそもリモートワークという働き方は一般的にどこまで浸透しているのだろうか?

自宅やカフェでのリモートワークはフリーランスや業務委託契約で働いている人のみが可能な働き方だと考えている人が多いのではないだろうか。実際にリモートワーク可能な求人を探すと、業務委託契約・副業の雇用形態で見かけることが多い。

しかし、近年では正社員であってもリモートワークが可能な求人が増えてきているという調査結果が報告されてる。2019年にエン・ジャパン会社が運営している30~40代のミドル向け転職サイト「ミドルの転職」上で、サイトを利用している転職コンサルタントにアンケートを行なった結果、リモートワーク求人について以下のような結果が明らかになっている。

リモートワーク求人の割合

まず、「ミドル世代のリモートワーク求人を扱ったことがあるか」という設問に対し、「ある」と回答した転職コンサルタントは全体の3割にとどまった。豊富な求人数を扱っている転職コンサルタントであっても7割はリモートワーク求人を扱ったことがないと考えると、リモートワークがまだ主流の働き方ではないことが伺える。

一方で、リモートワーク求人を扱ったことのある転職コンサルタントの全員が「リモートワーク求人の数は増加してきている・どちらかというと増加している」と回答している。

また、「今後リモートワーク求人の数は増加すると思うか」という設問に対し、99%の転職コンサルタントが「増加する・どちらかといえば増加する」と回答している。

増加すると推測した理由として「働き方改革の一つとしてテレワークが推進されているため」と答えたコンサルタントが8割を超え、次点で「リモートワーク導入を検討している企業が実際に多いから」という企業の最新事情を背景にした回答が4割となっていた。

働き方改革と並行し、オリンピック開催時期の混雑緩和に向けたテレワークの推進は都心部を中心に見られていた。それに加え、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、日本全国でリモートワークに踏み切った企業が増加したことも今後のリモートワーク求人の増減に影響を及ぼすと考えられる。

マーサージャパンが2020年2月27日~3月4日にインターネット上で新型コロナウイルスに関する各社の対応状況の調査を行なったところ、579社から回答が集まった。その中で8割の企業が全社、もしくは一部部門でリモートワーク・在宅勤務を実施していると回答していることが判明している。

これを機に、リモートワークを正式な制度として整える会社が増える可能性が高いため、今後も各会社ごとの動向はこまめにチェックすると良いだろう。

リモートワーク求人が多い業種

具体的にリモートワーク勤務が可能な会社は、どの業種で多いのだろうか?

エン・ジャパンの調査によると、8割の転職コンサルタントが「IT・インターネット」と回答し、次点で多い「コンサルティング」と大幅な差をつけていることがわかる。PCさえあれば働ける業種、もしくは知的労働である業種は場所にとらわれない働き方ができるため、比較的リモートワークを推進しやすいためと考えられる。

出典:エン・ジャパン「『リモートワーク求人』実態調査」

ちなみに、どのような企業でリモートワーク求人を出していることが多いかという設問に対し、最も多い回答はベンチャー企業の6割となっているが、外資系企業や大手企業で求人を出していると回答している転職コンサルタントの割合もほぼ半数となっている。

以上のデータから、リモートワークは今後、様々な企業で浸透すると考えられるだろう。

リモートワーク求人が多い職種

IT系企業のリモートワーク求人が多いが、中でもエンジニアの求人数が多いことがわかっている。

IT/Web業界の求人情報に特化したGreenで「リモートワーク」をキーワード設定し、求人を検索すると275企業935求人が表示される(2020年3月末現在)。フルリモートのものから一部リモートのものまで、リモートのレベル感に幅はあるものの、求人数としては思った以上に多い印象を受けたのではないだろうか。

エンジニアのリモートワークが他の職種に比べて進んでいるのは、PCさえあれば場所を選ばず出来る仕事であることと、Webサイトやアプリといった成果物によって業務の進捗を明確に把握することができるおかげだろう。また、業務上必要なやりとりもネット上で完結できるものが多く、リモートワークの弱点であるコミュニケーションコストの増加といった側面から見ても弊害が少ないのも理由のひとつだ。

Webデザイナーもエンジニア同様、PCがあれば業務を行うことができ、成果物がはっきりしているためリモートに向いている職種である一方、クライアントと直接コミュニケーションをとる場面が多いこともあり、エンジニアと比較するとリモートワークの求人数が少なくなっている。

とはいえWebデザイナー・UI/UXデザイナーのリモートワーク求人も82企業133求人と様々な求人の募集がかかっていることがわかる(2020年3月末現在)。

求人の募集が多いのは「一部リモート勤務」

出典:エン・ジャパン「『リモートワーク求人』実態調査」

「リモートワーク」と一言で言っても会社によって認められている働き方が異なることはザラにある。上の表は転職コンサルタントが実際に扱ったリモートワークの種別と、求職者が希望しているリモートワークの種別だ。

求職者と求人を出している会社の間で乖離が大きいのは「在宅勤務」「フルリモート勤務」だろう。一般的にリモートと聞いてイメージする働き方がその2つになるかと思うが、実際求人で多いのは週に2回のリモートはOK、のような「一部リモート勤務」であることは認識しておくといいだろう。

一部リモート勤務を許可している会社の場合は勤続年数や業務によってはリモートの頻度が増えることを許可していたり、もしくは将来的にはフルリモートへの移行を画策している可能性がある。リモートでの働き方を希望する場合、フルリモートの求人に絞るのではなく一部リモート勤務ができる会社を探す方がいいかもしれない。

リモートワークの懸念点

今後リモートワークで働ける会社は増えると考えられているが、誰もがリモートワーカーとして働けるかというと、そういうわけでもないようだ。リモートワークの推進をする主な理由として「時間や場所に制約されない働き方を実現することで生産性を向上するため」というものがある。

しかし、リモートワークの導入には様々なリスクが想定される。セキュリティ面の整備およびコストの問題もあるが、会社にとって何よりも心配なのが「オフィス以外の場所で働くことを許可しても、しっかりとこなすべき仕事を行えるのか?」という点だ。

導入の仕方によっては生産性を上げるために導入した制度で、結果的に生産性が落ちてしまうという悲しい失敗例も少なくないため、会社側も慎重になることが多いのだ。

1.環境が変わっても生産性を維持できる工夫を身につけられるか

まず、社員にサボる意図がなくてもオフィス以外の環境で働いてみると作業効率が落ちるといった恐れが考えられる。リモートであっても始業時間、終業時間を厳格に管理するシステムがあれば別であるが、そうではない場合はリモートワークを行うことによって私生活と仕事の境目が曖昧になりやすくなり、会社にいる時よりも、なんとなくずるずる仕事をしてしまう…といったことが考えられる。

また、自宅でリモートワークをする時に、同居している家族に「家にいるが仕事中である」ことを予め理解してもらわないと、思わぬ時間ロスが発生することも考えられる。特に子どもがいる家の場合、「家にいる=お休みの日」だと認識してしまい、遊んで欲しくて部屋に入ってきたり話しかけてきてしまい、仕事中だからとぞんざいにあしらったことで、余計にゴネてしまい対処が大変だった…というハプニングもしばしば聞くため、注意が必要になるだろう。

他にも、業務でわからないことが多い社員や、ダブルチェックを依頼したい社員など、上司や他のメンバーに確認を取りながら作業を進める必要がある場合、お互いオフィスにいれば直接話しかけることで簡単にコミュニケーションが取れる。しかし、リモートワークではチャットや電話などを介さないといけなくなり、お互いのタイミングが合わないと簡単なコミュニケーションであっても即座に行うことができなくなるのだ。

このようなコミュニケーションコストの増加も生産性の低下に繋がると考えられている。これらの弊害をカバーしきれるような体制までしっかり整っている会社はまだ多くはない。そのため、リモートワークを採用している会社の多くは社員一人ひとりに自律性、能動的に動く姿勢を求めている。

メリハリある働き方を意識でき、自分の頭で考えて必要だと思ったアクションを積極的に実践できるような人であれば普段の出勤はもちろん、周囲の目がなかったり普段とは違う環境になるリモートワークでも問題なくパフォーマンスを発揮できると考えられているからだ。

2.即戦力として活躍できる力があるか

では、実際にリモートワークOKの求人を出している会社はどのような基準で採用者を決めているのだろうか?

リモートワークがOKな求人は数が多くないため、そのような働き方に憧れる多くの人からの応募が集中する傾向にある。残念ながら、リモートワークという働き方に憧れて「業界・職種未経験だけど応募した」という人の場合、選考通過率は限りなく低いと考えたほうが良いだろう。

理由は先述した通り、業務を進める上で周囲のサポートを必要とする可能性が高い人はリモートワークで働くことに向いているとは判断されにくいから。つまり、「リモートワーク可」を打ち出した求人を出している会社は、入社してすぐにリモートワークで対応しても大丈夫な人かどうかを、選考を通して知ろうとしており、それが選考通過の大きな評価軸となっているのだ。

具体的には一人で業務を推進することが出来るくらいのスキルを持っているか、即戦力として活躍できそうかどうかを深掘りしようとする。特にフリーランスとして成果を上げた実績のある人や、従来の出社して働く勤務形態しか経験していないとしても、会社が求めている領域においてノウハウや経験が豊富な人であれば、働く場所に左右されない可能性が高いため、採用されやすいと考えられる。

リモートワークができることを最重視して求人に応募するのではなく、あくまでもこれまでの実績や経験と親和性の高い領域・事業を手がける会社でリモートワークが許可されていたら喜ばしい、くらいの感覚で会社を探して応募した方が転職の軸としては良いだろう。

未経験の人でリモートワーク可能な会社に入社したい場合、そこで求められるスキルを知り、未経験からでも業務を通して学ぶ環境を用意してくれる別の会社で実績を積んでから転職することが最短かつ最善の方法になる。未経験からいきなりリモートワークができるというケースは、ほぼ無いということを念頭に置いておこう。

効率的に転職活動をする方法

リモートワークができる会社への転職は誰もが実現できる選択ではないということが分かった。そもそもリモートワークが可能な求人数が多くないため、自分一人ではぴったりな求人を探すのに苦労する恐れがある。現職で働きながら転職活動を行う場合はなおさらのことだ。

そこで上手に活用したいのが転職エージェントだ。求人サイトとは異なり、登録するとエージェントと呼ばれる転職のプロフェッショナルが自身の担当者となり、転職活動にまつわるあれこれを全面的に支援してくれるサービスだ。具体的には、以下のサポートを受けることができる。

・現在の市場価値やキャリアプランへのアドバイス
・キャリアプランや希望に応じた求人の紹介
・履歴書や職務経歴書など、応募書類の添削
・面接内容のアドバイスや模擬面接の実施
・企業との面接日程の調整
・面接後に企業担当者へのフォローやプッシュ
・内定後の給与交渉など

まずは4~5社に登録するのがベター

また、転職エージェントは数多く存在し、業界特化型・年代特化型など、利用者によって相性の良いサービスが変わってくる。

自分が転職で希望している業界やキャリアパス実現に強いエージェントを複数選んで登録することが転職成功のポイントになるのだ。最初は4~5社のサービスに登録し、初回のキャリア面談で相性が良いと感じたエージェント2~3人に絞って利用するのがおすすめ。

リモートワークの求人についても、最新の求人動向に詳しいエージェントに相談することで簡単に自分の希望に即した求人を紹介してくれる可能性が高く、効率的な転職活動が可能になる。

また、自分だとなかなか踏み込みにくい待遇や働き方に関する確認をエージェントに依頼することが可能だ。リモートワークに関しての質問や交渉も転職エージェントを介した方が会社側からの印象を損ねることなく、知りたいことを知ることができる。

なによりも、転職エージェントは求人サイトでは探すことのできない非公開求人を多数扱っていることが大きな魅力のひとつでもある。転職エージェント経由でないと応募できない求人もあるため、転職を考えたらまずはサービスの登録を検討しよう。

リモートワーク求人が見つかる転職エージェントの選び方

リモートワークができる会社に転職したい場合、転職エージェントの選び方は二つある。

1.IT/Web業界の転職に強いエージェントを利用する

一つ目は、特にリモートワークの導入が進んでいるIT/Web業界の転職に強いエージェントを利用することだ。他の業界と比べ、リモートが進んでいるとはいえ求人数はどうしても限られている。また、求人を出している会社側としてはリモートワークができることに魅力を感じて応募をしてきた求職者よりも業務内容や事業、理念に共感して志望する求職者の方が当然印象が良い。

そのため、あくまでもリモートワークについては「できると、より嬉しい」程度の希望条件としてエージェントに相談することがオススメである。

IT業界に強い転職エージェントについては、以下の記事でも詳しく紹介している。20代・30代など年齢別のキャリアプランの考え方についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。

2.フリーランス転職に強いエージェントを利用する

二つ目はフリーランス転職に強いエージェントを利用し、リモートワークの案件を獲得するという方法もある。会社に属する働き方にこだわりがない場合、こちらの探し方の方がリモートワークでイメージするような働き方を実現できる可能性は高くなる。フリーランスの働き方には在宅勤務はもちろん、クライアント会社に常駐するような勤務形態もある。リモートワークを希望する場合は在宅勤務や一部常駐型のプロジェクトを希望すると良いだろう。

業界特化型・フリーランス特化型のおすすめ転職エージェント6選

先程紹介した二つの考え方に即し、オススメのエージェントを6社紹介しよう。

Tech Clipsエージェント


Tech ClipsエージェントはITエンジニアに特化したエージェントだ。取り扱っている求人の全てが年収500万円以上の高待遇であることに加え、転職活動をサポートしてくれるキャリアコンサルタントが全員現役エンジニアであることが最大の特徴となっている。

業界に特化していないエージェントの場合、技術的な深い話が通じず、なかなかこちらの希望を伝えることができなかったという失敗談もしばしば聞かれる。しかし、現役エンジニアがコンサルタントであるため、エンジニアならではの転職時の悩みや要望を真に理解したアドバイスや支援を受け流ことができ、紹介される求人の質も高いと好評だ。

そのため、初めての転職だったとしても不安を払拭し、納得のいく転職活動を行うことができる。エンジニアとして働きやすい環境を重視したい人や納得のいく求人の紹介を受けたい人にオススメだ。

▼公式サイト
Tech Clipsエージェント

リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント

転職エージェント最大手のリクルートエージェントは業界・職種関わらず登録して損はしないだろう。求人案件の保有数、転職実績の数などどれをとっても業界トップ水準だ。さらに、IT・Web業界の専門部隊が存在しており、常に最新の業界動向や求人企業の情報を求職者に提供することも強みとしてる。

「リクルート」というブランドへの信頼感により、リクルートエージェントのみで取り扱う非公開求人数も多く集まっているため、転職の情報収集から面接対策のサポートまで安心して利用することができる。豊富な実績に裏打ちされた安定したサポートを望む人におすすめだ。

▼公式サイト
リクルートエージェント

BINAR(バイナー)

出典:BINAR

バイナーはスキルセットの高いITエンジニアに特化した転職エージェントだ。ITエンジニアの価値が正しく評価され、夢のある職業になってほしいという理念のもと運営されており、エンジニアのキャリアアップや満足のいく働き方を実現してくれるハイクラス求人を中心に扱っている。

わかりやすいところでいうと、BINARで紹介される求人の最低年収は1,000万円となっており、かなり高待遇となっている。

また、短期間で転職活動を進めることができるのも魅力的だ。登録してから一週間はプロフィールを公開し、8日目頃からプロフィールに興味を持った企業からスカウトメールが届き、気になった企業の選考に進むという流れになっている。

ただし、その分登録のための審査基準が高いため、未経験者や経験の浅い人の登録には向いていない。これまでの実績に自信がある人におすすめだ。

▼公式サイト
BINAR

レバテックフリーランス

出典:レバテックフリーランス

業界最大級の案件数を保有している大手エージェントだ。

エンジニア専門のサービスになっており、エンジニア独特のキャリアを的確にカウンセリングし、希望条件にぴったりの案件を厳選して紹介してくれる。大手企業の案件はもちろん、ベンチャー案件も豊富に取り扱っているため、チャレンジャーな案件に挑戦したい人にもぴったりな求人が見つかりやすい。

また、コンサルタントとのやりとりをLINEで行うことができるため、より気軽でスムーズに、問い合わせや選考の進捗管理を行うことができる。

▼公式サイト
レバテックフリーランス

DYMテック

出典:DYMテック

DYMテックはWebデザイナーやエンジニアのフリーランス案件に強いエージェントだ。5,000社を超える取引実績と好条件案件のスピード紹介が特徴で、経験豊富な人はもちろん、業界経験1年の若手の転職実績もあり、これからフリーランスとして働きたい人でも安心して利用できるサービスとなっている。

他のエージェント紹介では出会えないような完全非公開案件、直請け案件が数多いため、フリーランスとして働きたい場合は登録しておくと良いだろう。

▼公式サイト
DYMテック

tech tree

出典:tech tree

ITエンジニアに特化したフリーランスエージェント。tech treeの運営会社はWeb制作会社のため、エンジニアが案件や待遇に求める水準や、企業がエンジニアに求めるスキルセットを正しく熟知しているということが強みになっている。

そのため、正社員として働くよりも年収が上がるような質の良い直請け案件をスピーディーに紹介してもらうことが可能だ。また、他のエージェントではなかなか紹介してもらえないリモート案件の紹介を受けることもできる。

▼公式サイト
tech tree

働き方の希望をエージェントに伝えて理想の会社を見つけよう

以上、リモートワークにまつわる転職事情について紹介した。リモートワークは魅力的な働き方のひとつとなっており、IT/Web業界など一部の先進的な領域・会社においては積極的に制度として導入しようとする動きが見られるようになっている。そのため、働き方はリモートワークも含めより柔軟に多様化していくと考えられる。

環境を変えてモチベーションを上げたい人や待遇の向上を希望して転職を検討するときは、信頼できるエージェントを上手に活用し、理想の働き方を実現してみてはいかがだろうか。

▼転職エージェントについてもっと詳しく知りたい人はこちら