71294jazz spot Birdland|ジャンルにとらわれない選曲。ジャズ談義に花が咲く

jazz spot Birdland|ジャンルにとらわれない選曲。ジャズ談義に花が咲く

田村 巴 (たむら とも)
田村巴
目次

■全て聴き、全て扱う偏らないジャズへの想い

古くは日光街道の宿場町として栄え、足立区の主要ターミナル駅でもある北千住。多くの人が行き交うこの街で、商店街の路地裏に上質な音を響かせる空間がある。「jazz spot Birdland」だ。

店主の森川久生さんが平成2年(1990)に葛飾区金町で創業し、2年後に現在の場所へと移った。時代はバブル崩壊前夜。「カフェやバー、花屋なども経営しましたが全て手放し、この店だけを大切に守り抜いてきました」。

カウンター右側にレコードや機材をレイアウト。

19世紀の終わりにアメリカで生まれ発展を遂げたジャズという音楽について、ここで詳細を紐解くことは避けよう。ただ一つ確実にいえることは、ジャズはその内包する多彩なジャンルに問わず、時代を超えて人々を魅了してきた。そして現在進行形で老若男女に愛され続けている音楽だということ。

森川さんはニューヨークの老舗ジャズクラブと同様に、モダン・ジャズの祖といわれるチャーリー・パーカーの愛称“バード”にあやかり、この店名を付けた。言うまでもなく心からジャズを愛し、同じくジャズを愛する人たちが集う場所にしたいと願う深い想いが店内の隅々まで伝わる。

名盤を良い音で聴く、とても単純ながら実現するのは難しい。プレーヤーやアンプ、スピーカー、音を聴くための機材や環境にこだわり、納得のいく空間へと時間をかけて仕上げてきたのだ。

ここでは国内外で活躍する名だたるジャズプレーヤーたちが演奏することもある。客は皆、珈琲や酒を片手にラフに音楽を楽しむ。ジャンルレスでジャズを愛する森川さんだからこそ、成り立つ開放感がそこにある。

そう、ここは“ジャズに酔う”場所なのだ。

コーヒーとケーキセット(1000円)。

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■店主とっておきの一枚

DEAR JOHN C
エルヴィン・ジョーンズ
レーベル:Impulse!

伝説的ドラマーのエルヴィン・ジョーンズのアルバムをセレクト。共に音を奏でたモダンジャズ界の巨匠であり、サックスプレーヤーのジョン・コルトレーンの名を冠した名盤である。

■音響機材

レコードプレーヤー:Technics SL-1200G
アンプ:(プリ)LUXMAN CL35-MK-Ⅲ、(パワー)DYNAKO MARK-Ⅲ
スピーカー:JBL 4312 MK-Ⅱ

jazz spot Birdland
平成2年(1990)創業
東京都足立区千住1-31-8
TEL:03-3888-1130
営業時間:12:00~24:00(日曜はライブのため変動あり)
定休日:月曜
席数:テーブル12席・カウンター11席
アクセス:JR「北千住駅」より徒歩4分

文/田村 巴 撮影/菊田香太郎

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田村 巴 (たむら とも)
田村 巴 (たむら とも)

1979年、北海道出身。バイク(チョッパー)専門誌「HARD CORE CHOPPER」、フリーペーパー「MOLE Magazine」、ライフスタイル誌「男の隠れ家」を経て、現在は「男の隠れ家デジタル」編集長。

バイクやクルマでの日本一周・目的を決めない旅が趣味。好きな分野は「飛行機」「クルマ旅」「地方の土着的な風習や歴史」「ミステリー」など。UFOや都市伝説に興味深々。好きなものは「巨大建造物」「道の駅・SA(道の駅きっぷ収集)」「キャンプ」「ガジェット」「カメラ」「ボストンテリア」。

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