男の隠れ家の神出鬼没な編集者・田村巴は年がら年中“休肝日”がない生粋のお酒好き。そんなほろ酔い編集が美味い酒を求めて今宵もぶらりと旅に出る──。
先月に引き続き「嘉之助蒸溜所」のウイスキーをとことん追求! 鹿児島市で多彩な酒と郷土料理が味わえる「酒物語」さんへ。
※この記事は2025年11月号に掲載されたものです。
ほろ酔い編集・田村巴のちょっと一杯やらないか? 第22杯
唐突ですが今月は前回の原稿では収まりきらなかった「嘉之助蒸溜所」さんの美味しいウイスキーについて深掘りたいと思います。よろしくどうぞ。
万が一、前回の記事を見逃したという方がいらっしゃいましたら、どうぞ遠慮なくバックナンバーをお求めくださいませ。毎度あり!
「嘉之助蒸溜所」での見学を終えた後、鹿児島市内へ移動してきました。天文館エリアの居酒屋「酒物語」さんが今夜の目的地。
経験上、美味しいお酒と料理を見知らぬ土地で求めるなら、現地の人にリサーチするのが大定石。ということで蒸溜所の皆様にお店を紹介していただき、やってきました。
開店早々、一番乗りで入店。アットホームな雰囲気の店内ですが、とにかく棚という棚(おトイレまで!)にお酒のボトルがズラリと並んでいます。その光景に圧倒され、しばし興味深く拝見。

満遍なく色々な種類のお酒がありますが、特にウイスキーの種類が豊富です。聞けば100以上の銘柄を取り揃えているそうな。もちろん嘉之助さんのウイスキーもあります。
よく見れば数量限定で販売されたボトルも。こりゃ大当たり。となればやるべきことはただ一つ。元気よく「嘉之助を呑みたいです! そのお酒に合う郷土料理も食べたいです!」と伝えるだけ。
店主の宮内隆一郎さんにオススメのお料理と嘉之助ウイスキーのペアリングを提案してもらいます。
まずは鹿児島県限定商品「嘉之助 シングルモルト KAGOSHIMA EXCLUSIVE」のハイボール(1000円)と、屋久島産「とび魚のさつまあげ」(600円)を揚げたてで。

原料やモルティング、バッティングまで徹底して鹿児島にこだわったウイスキーは炭酸で香りが立ち上がり、とび魚の上品な甘苦さとよく合います。
THE鹿児島的な組み合わせに、出だしからノックアウト。
続いて「嘉之助 HIOKI POT STILL」のロック(1400円)に「小鯵ときびなごの南蛮漬け」(600円)を。
新樽とバーボン樽で熟成された甘やかでリッチな味わいのウイスキーに、南蛮漬けの酸味がマッチします。特にきびなごは独特の苦味があるので、小鯵との違いを楽しみながらペロリと味わいました。

そして蒸溜所の試飲で一番好みだった銘柄「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」。呑み方はもちろんロック(1500円)で。
マリアージュするのは焼き鳥の「レバ焼き(タレ)」(300円)と「ハツ焼き(塩)」(250円)。宮内さん曰く、「ミントやレモングラスのアロマがあるお酒なので、レバーのねっとり感やタレの甘みを中和してくれますよ」とのこと。

確かにふわりと包み込むような香りが余韻となって楽しめます。蒸溜所で試飲した時はバニラと程よいオーキーさに感動しましたが、料理と合わせることで印象が変わりました。本当に奥が深い。
皆さん、鹿児島へ行ったらぜひ「酒物語」さんへ。最高です!

宴を楽しんだ翌日は再び日置市へ。嘉之助蒸溜所の母体である「小正醸造 日置蒸溜蔵」を見学します。
焼酎をメインに製造している蔵ですが1種類だけ嘉之助ウイスキーもつくっているのです。それが「嘉之助 HIOKI POT STILL(HPS)」。蔵長でマスターブレンダーの枇榔誠さんにお話を伺います。
「焼酎の製造設備と技術を活かして夏に焼酎、冬はウイスキーを製造しています。未発芽大麦と麦芽を使用して減圧蒸溜で丁寧に蒸溜し、新樽とバーボン樽で熟成するのでHPSは甘さとスパイシーさが両立した味わいが特徴です」


ちなみに日置蒸溜蔵には大型仕込みの本蔵と手造り蔵の師魂蔵があり、師魂蔵には貴重な木製蒸溜機が。
いやぁ、小正醸造(嘉之助蒸溜所)さんは歴史が深い上で、さらにさまざまなチャレンジを続けているスゴイ酒蔵だなぁ。


そのほか「蔵の師魂」をはじめとする芋焼酎の数々や、玄米・麦焼酎、梅酒やクラフトジンなど多彩なラインナップが特徴。

酒物語
お酒の種類がハンパない居酒屋!
豊富な酒類を取り揃える隠れ家的な居酒屋。店主の宮内さんは休みの日に奥様と酒蔵見学に行くほどの酒マニア。料理の腕も抜群で素材や産地にこだわった鹿児島料理が味わえる名店!
鹿児島県鹿児島市樋之口町10-18 角玉会館本館201号
営業時間/17:00〜23:00(L.O 22:30)
定休日/日曜(月曜祝日の場合は営業)
https://www.instagram.com/sakemonogatari2024
小正醸造 日置蒸溜蔵(こまさや)
伝統を守り続ける日置の焼酎蔵
蔵見学は2種類のコースから選べ、老舗の矜持を垣間見ることができる。直売所「こまさや」では酒類のほかオリジナルグッズなども販売している。
鹿児島県日置市日吉町日置3309
営業時間/8:00〜16:50
定休日/土・日曜、祝日
※蔵見学は予約制、公式HPより事前申込
https://www.komasa.co.jp/
【著者プロフィール】
田村 巴(Tomo Tamura)
1979年北海道出身、フリー編集者。長年「男の隠れ家」に携わり現在は「男の隠れ家デジタル」編集長も務める。毎日の晩酌が人生をより良くすると信じて疑わない。
文/田村 巴 撮影/Noriy.k
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