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揺れる炎を眺めながら、ひとり思い巡らす。なかなか粋ではないだろうか。思立ったなら、すぐに実行すべきだろう。初心者でも容易な、ソロキャンプでの焚き火の作法を紹介する。
薪を準備する
焚き火の仕方には3つの段階がある。
まずは薪の準備だ。基本的に現地での調達になる。大抵のキャンプ場は、薪の販売を行っている。慣れてきたならば、自分で拾うのもよいだろう。
乾いた枝は薪に適しており、案外見つけやすい。鉈(なた)などの道具があれば、加工に便利だ。
針葉樹は火がつきやすく、初期段階で火を大きくするときに役立つ。広葉樹は高い温度で燃え、火持ちがよいので、熾火(おきび)を作るのに適している。どちらにも利点があるので、両方を集めるようにしたい。
薪を組む
次に薪を組んでいく。薪の組み方も、火の具合を大きく左右する。直火禁止のキャンプ場であれば焚き火台を用意する。細い枝から組み始め、徐々に太くしていくのが基本だ。
円錐や井桁状に組んでいくと、内部に空気が入り温度が上がりやすくなるとともに、空洞が煙突の役割を果たし、上昇気流を生み、炎が広がりやすくなる。初心者は薪を詰め込みがちだが、これだと空気の通りが悪く、火が消えやすくなってしまう。
焚き付ける(着火)
薪を組んだら、いよいよ着火だ。細長く巻いた新聞紙は長い時間燃え続けるので着火剤に適している。それを囲むように枯葉を敷くと、火が広がりやすくなるだろう。特に杉や松は燃えやすく、乾燥した松ぼっくりもよい燃料となる。
底の焚き付けに火を放つ。複数箇所を燃やすのがポイント。小枝から、やや太い枝に炎が移るまでは、手を出さず待つ。
無論、着火で終わりではない。3段階目は火の維持だ。「火を育てる」ともいう。これは火の付け方と同等か、それ以上に難しい。
待つことも重要になってくる。むやみに動かすと火の勢いが弱まってしまうのだ。炎が安定したら細い薪から入れはじめ、徐々に太くしていく。温度が上がり、太い薪に火がつくと熾火(おきび)となるのだ。
火を維持するには、空気の通り道となる薪の間の空間が重要だ。パチパチはぜる音が聞こえないときは空間が十分でない可能性があるので、注意したい。
焚き火の後始末
火の後始末までしっかりと行ってこそ、アウトドアを完遂したといえるだろう。消し方までしっかりと把握しておきたい。
薪を真っ白な灰になるまで燃やし尽くすのが、望ましい。消えたように見えて、中心部に熾火が残っていることもあるので、気をつけたい。撤去を始める2時間前が、薪の投入を終える時間の目安となる。
灰にも水をかけ完全に消火してから、直火の場合は土に埋める。焚き火台を使用した場合は、キャンプ場にある灰の処理場を利用する。極力、自然や次の利用者に配慮して痕跡を残さないよう心がけたい。