駐在員に求められる英語力は状況によって異なるものの、スキルが高いほど有利にはなる。本記事では、駐在員にどのくらい英語力が求められるのか、その英語力はどのように身につけられるのかについて解説しよう。
3ヶ月でビジネス英語を身に付けるコーチング
プログリットは、実践で使える英語力を身に付けることを目標とした英語コーチング。一人ひとりの弱点や目標を細かく分析し、専用のカリキュラムを作成。ビジネス英語を取得した日本人の専門家がコーチにつき、マンツーマンで日々の学習をサポートしてくれる。
1日3時間の自宅学習がメインで、生活習慣に踏み込んだ緻密な学習スケジュールを立てることで、「サボらせない」学習スタイルを確立。毎日コーチからチャットで連絡が届くため、自然と学習習慣が身に付くだろう。
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海外駐在員はどのくらい英語力が求められる?
海外駐在員とは、一時的な海外転勤・海外赴任で、日本企業から海外の現地法人や支社に送り込まれる従業員を指す。そして、その海外駐在員が企業によっては狭き門とも言われる理由は、現地で業務をしっかり遂行するために必要なスキルのひとつである英語力にある。
駐在員に必要な英語スコア要件
「国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEIC)」の調査によれば、海外部門の社員に期待するTOEIC L&Rスコアは570〜810点、またSpeakingとWritingでは、それぞれ120~160点と高い水準を求められていることが分かっている。
しかし、点数だけでは求められる英語力に幅があり、具体的にどこまでの点数をクリアできればいいのかわからない人もいるだろう。ひと言で「駐在員」と言っても、実際に求められるスコアは、派遣先の国や赴任先企業によって異なる。
海外赴任に求められる英語力の見定め方
駐在員に求められる英語力を把握するには、主に以下3つの指標を参考にしよう。
- 駐在国の英語レベル
- 業務内容や職種でどのくらいの英語が必要か
- 取引先が日系企業か現地企業か
1. 駐在国の英語レベル
毎年、EF Education Firstが100カ国を対象に行っている「EF EPI英語能力指数2019年版」によれば、ランキングトップは、非英語圏のオランダ、スウェーデン、ノルウェーの3カ国となっている。アジアでは、フィリピンが20位以内に入っていた。
あくまでも企業の一員として責任あるポジションで赴くので、英語圏と非英語圏では、求められる英語力にほとんど差がないのも事実。しかし、非英語圏であっても英語スコアの高い国へ派遣される場合は、ビジネスやプライベートにおいても高いレベルの英語でやり取りがされる可能性が高くなる。したがって、派遣前にも自身の英語力は極力高めておいた方がいいだろう。
2. 業務内容や職種でどれくらいの英語が必要か
業務内容や職種によっても、求められる英語のスキルが異なる。例えば、現地で営業をする場合、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力に加えて、それを補う英語力が必要だ。英語力がないと、商品の説明はもちろん、商談を成立させるための雰囲気作りや相手のニーズを汲みとるのが難しくなる。
また、製造業の研究開発部門の技術者は、英語を社内でのコミュニケーションツールとして使うほか、その分野で扱う専門用語、設計/開発の技術者同士のやりとりで用いる技術用語もすべて英語に切り替えなくてはならない。
このように、基本的な英語力に加えて、業務や職種によって異なる「“英語で”できなければならないこと」も英語力の一部として求められるのだ。
3. 取引先が日系企業か現地企業か
日系企業には日本人が在籍している場合が多く、コミュニケーションが日本語だけでOKなケースも多い。取引先が日系企業の場合、ビジネス英語はほとんど必要なく、私生活でコミュニケーションをとるための日常会話の方が重要になる。反対に、取引先企業が外資にあたる場合は、メールのやり取り、契約書、社内会議の共通言語が英語である可能性が高くなる。
ただ、取引先が日系企業であっても、現地スタッフを採用していてやりとりはすべて英語というケースもあるため、入社前、転職前に、在籍中の社員などに現場の様子をヒアリングしておくと安心できるだろう。
英語力には関係ない? TOEICを受けるメリット
英語力を示す指標のひとつに、TOEICのスコアがある。残念だが、もしTOEICで高得点が取れたとしても、それ自体が英語を話せることに直結するわけではない。なぜなら990点満点で算出される一般的なTOEIC(L&R)では、リスニング(聞き)とリーディング(読み)の英語技能しか測定されず、自身のアプトプットにおける英語力は判断できないからだ。
※英語で「話す」「書く」能力を測定するには、TOEIC Speaking & Writing Testsを別途受ける必要がある。
では、なぜTOEICを受けるのかというと、次のようなメリットがあるから。
- グローバル人材とみなされる
- 就職や転職で有利になるケースもある
企業によっては、採用や赴任の条件として、TOEICの点数を一定の合格基準にしているケースがある。「国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEIC)」の調査によれば、海外出張者、海外赴任者の選抜においてTOEICのスコアを参考にしているかという質問に対し、それぞれ「参考としている」「要件としている」という回答が40%以上まで達している。
TOEICスコアは英語力(特にスピーキング力)の証明にはならないものの、海外赴任した際のコミュニケーション力や英語での連絡のやりとりなど、最低限のビジネススキルの持ち合わせていることは伝えることができるだろう。
英語力を測る指標として「IELTS」というテストがある。一般的なTOEIC L&Rがリスニングとリーディングのみのマークシート方式のテストであるのに対し、IELTSではライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つの能力が試される。TOEIC L&Rに加えて、IELTSを駐在の基準として設定している企業も多いため、TOEICに加えて対策をしておくといいだろう。
IELTSの対策については、以下の記事でも詳しく紹介している。こちらもあわせて読んでほしい。
駐在先で仕事に困らないためにチェックしたい英語習得のポイント
ここからは、海外赴任前に身につけておきたい英語勉強法を伝えよう。駐在員が英語力を身につけるなら、次のポイントを意識して学習したい。
- リスニングを優先的に勉強する
- トライ&エラーで英語を話しまくる
- 業界用語とビジネス用語を暗記する
1.リスニングを優先的に勉強する
海外赴任後すぐに実践レベルで活かせる英語力をつけたければ、まず重点的にリスニングを伸ばすこと。どんなに単語を覚えて話す練習をしたところで、相手の言っていることが理解できなければ、的確なコミュニケーションも取りづらくなってしまうからだ。
特に日本では、英語の授業で文法や単語、読解を中心に行ってきたこともあり、必要性に応じて自分で機会を作らない限りリスニングの練習が不足しているはず。リスニング力をアップさせるのに有効な方法が、聞いた英語を紙に書き起こす「ディクテーション」だ。自分が聞き取れた音、聞き取れなかった音が可視化されるため、学習ポイントが見えやすい。
自分が関心のある動画や映画を選ぶのも良いが、自分が理解の及ぶやさしめのレベルを選ぶことをおすすめしたい。
以下の記事では、リスニングの勉強法により詳しく解説してる。リスニング力を鍛えたい人はぜひこちらもあわせて読んでほしい。
2. トライ&エラーで英語を話しまくる
英語力をアップさせるには、失敗を恐れずにとにかく英語を話すこと。出発前であれば、自宅や職場の空き時間に取り組めるオンライン英会話がおすすめだ。また現地でも、コミュニティーセンターや図書館で開催されるESLプログラム、Meetupなどをフル活用し、英語を話す機会を出来る限り増やしていこう。
3.業界用語・ビジネス用語を暗記する
まずは、ビジネス全般でよく使うフレーズや自分の属する業界用語、業務上必要とされる専門用語から重点的に覚えていこう。例えば、会議やプレゼンテーションでよく使うフレーズには以下のようなものがある。
・My name is ○○ and I am responsible for △△.
・By the end of this presentation you will know ○○.
・Let’s get down to business.
・I’ll start with talking about ○○. Then, △△. Finally ××.
ビジネス英語にはある程度の「型」があり、一度覚えてしまえばいろいろなシーンで応用が効く。プレゼンテーションで役立つフレーズをひとつでも多く覚えることで、よりスムーズにコミュニケーションが取れるだろう。
また英語を使って仕事をするには、英会話に必要な基本単語やフレーズに加えて、業界用語を知っていなければ職場で会話が成立しない。これは日本語でも同じだろう。業界用語とは、金融業界であれば取引や金融商品に関する用語、メーカーの研究開発であれば設計や素材に関する用語、建築業界であれば建築や設計に関する用語、管理職であればマネジメント用語などのことをいう。
- デスクやPCの周りに覚えたい単語のメモを置いておく
- 新しく覚えた単語はビジネスメールや次回のミーティングなどで積極的に使う
- 常にこの用語は英語ではなんと言うかを意識し、都度調べる
このように、ただ英語学習を行うのではなく、しっかり仕事と結び付けて駐在先で使いこなせる英語を身に付けていこう。
効率よく英語を学ぶおすすめ勉強法2選
独学かつ無料でできる勉強法もあるが、赴任までの限られた時間で効率よくビジネス英語を勉強するなら、プロの力を借りるのがおすすめだ。以下では、海外赴任の前と後どちらでも続けられる英語学習法を紹介する。
オンライン英会話
赴任までの限られた時間で、英会話を習得するのであれば、プロの力を借りよう。オンライン英会話であれば、赴任してからでも、継続して英会話の学習をすることができる。おすすめのオンライン英会話を以下の表にまとめてみた。
産経オンライン 英会話PLUS | ビズメイツ | レアジョブ スマート メソッドコース | EFイングリッシュ ライブ | ベストティーチャー | |
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月額料金 | 6,380円~ | 13,200円~ | 一括 594,000円 ※16週間の受講料 | 8,900円~ | 12,000円~ |
1回あたりのレッスン時間 | 25分 | 25分~ | 50分 | 20分~ | 25分(+ライティング) |
無料体験 | 4回 | 1回 | 1回 | 1週間 | 2回 |
レッスン予約 | 5分前まで可 | 5分前まで可 | ― | 直前まで可 | 20分前まで可 |
レッスン営業時間 | 0時~24時55分、 5時~23時55分 | 5時~25時 | ― | 24時間 | 24時間 |
対象レベル | 初~超上級 | 中~上級 | 初~上級 | 初~上級 | 初~上級 |
レッスン形式 | マンツーマン | マンツーマン | マンツーマン | マンツーマンとグループ | マンツーマン |
講師 | ネイティブを含む | ネイティブを含む | ネイティブを含む | ネイティブを含む | ネイティブを含む 50カ国以上 |
資格対応 | TOEIC、TOEFL | なし | ― | TOEIC、TOEFL | TOEIC、TOEFL、IELTS |
オリジナル教材 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
公式サイト | 産経オンライン英会話PLUS | ビズメイツ | レアジョブ スマートメソッドコース | EFイングリッシュライブ | ベストティーチャー |
産経オンライン英会話PLUS
初級から超上級まで、約400種類のレッスン教材を利用して一般的なビジネス英会話を学べる産経オンライン英会話PLUS。さらに、職業別の教材やニュースディスカッション用教材など、ビジネス英語を習得するための豊富な教材を用意。採用率わずか1.2%の厳しい選考をクリアした講師陣と、マンツーマンでレッスンを行う。
短期集中型のコーチングプログラムやTOEIC®L&R TEST対策などオプションも多数あるので、必要に応じて利用するといいだろう。
ビズメイツ|ビジネス特化のオンライン英会話No.1
Bizmates(ビズメイツ)では、ビジネスに欠かせない英語力の他、コミュニケーション能力やリーダーシップ、異文化理解、グローバルに対応できる人間性などを鍛えられる。採用率がたった1%という厳しい条件をクリアした講師陣は、全員ビジネス経験者。マンツーマンによる濃いレッスンで即戦力を磨けるので、出発前の英語学習としてはもちろん、現地で伸び悩んだときの対策としてもおすすめだ。
レアジョブ スマートメソッドコース
オンライン英会話サービス「レアジョブ」の英語コーチングコース。4ヶ月の短期集中コースで、ビジネススピーキング力を高めることができる。
日本人コンサルタントがスケジュール管理や学習法における改善点をアドバイス。スピーキング力1レベルアップ成果保証があり、レベルアップができなかった場合は、レベルが上がるまで無償で必要なサポート・レッスンを受けられるのも魅力のひとつだ。
EFイングリッシュライブ|世界最大級のオンライン英会話
EFイングリッシュライブは、世界110か国以上で海外留学や語学教育などを展開するEFが運営するオンライン英会話。一人ひとりに合わせた学習方法と勉強を習慣づけるシステム、モチベーションを保つ仕組みによって、初心者でも英語学習を続けられる独自のメソッドが活用されている。
レッスンごとにフィードバックが受けとれたり、オンライン教材での自習から始められたりとサポートも充実しているため、英語学習初心者にもおすすめだ。
ベストティーチャー|英語力をバランスよく鍛える
ベストティーチャーは、ライティングとスピーキングを鍛えられるオンライン英会話だ。ライティング力を鍛えることにより、資料の読解や作成、メール業務などをスムーズにこなし、スピーキング力を底上げする。駐在員としての生活が始まると勉強の時間がとりにくくなるので、文法や語彙力に不安がある人は、今のうちに基礎力をバランスよく磨いておきたい。
独学(スマホアプリ・書籍)
英語を独学で勉強する際に便利なのがスマホアプリだ。スキマ時間を使えば、日本にいながらにして英語に触れる時間が長くなる。
スタディサプリ:初心者でもビジネス英語が身につく
基本的な挨拶から商談まで、ビジネスで必要なフレーズや文法を身につけられる。学習内容は、ネイティブによる動画講座とストーリー形式のレッスンアプリ。飛行機の中や商談先への訪問、企画会議などリアルなシチュエーションを想定しているため、実践的なビジネス英語力を学ぶことができる。
TED:世界的偉人のスピーチを無料で聴ける
スティーブン・ホーキングやスティーブ・ジョブズといった世界的権威が話す英語を無料で聴けるアプリ。字幕機能があるため初心者でも理解しやすく、幅広いトピックから興味があるものを選べるため、飽きずに続けられる。非ネイティブのスピーカーも多く、英語のリズムや口の動かし方、イントネーション、ジェスチャーなど、リアルな英語を学べるだろう。
POLYGLOTS(ポリグロッツ):実力に合った英文記事が読める
英文記事を読み、長文読解や語彙力を鍛えるアプリ。英語初心者でも理解できるよう、記事はレベルごとに分けられている。読了までの時間を計ったり自分専用の単語帳を作ったりできるため、学習の進捗を把握しやすく、モチベーションも上がりやすい。
Grammar In Useシリーズ:世界的ベストセラーの参考書
参考書を買う場合は、「Grammar in Useシリーズ」がおすすめ。英語学習者のための参考書にも関わらず、1,500万部超えの世界的ベストセラーになっている。高校までの英語を肌感覚で理解し、これからの英語学習の基礎を築くためにも、英語の勉強を始めるならぜひ手に入れたい1冊だ。
駐在員になるための英語力は1日にしてならず
海外の駐在に必要な英語力と、おすすめの英語学習法を伝えてきた。英語力は、決して一朝一夕で身につくものではなく、日々の積み重ねによって高まるもの。また、「これだけ勉強すれば間違いない」というのはない。スキマ時間に、独学あるいはプロの手を借りながら、自分にあった方法で英語学習を行おう。
▼こちらもチェック
- 海外赴任に求められる英語レベルは?
- 「国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEIC)」の調査によれば、海外部門の社員に期待するTOEIC L&Rスコアは570〜810点、またスピーキングとライティングでは、それぞれ120~160点と高い水準を求められていることが分かっている。
駐在国の英語レベルや業務内容や職種、取引先が日系企業か現地企業かということによっても必要とされる英語力は変わってくる。海外赴任前に、在籍中の社員などに現場の様子をヒアリングしておくと安心できるだろう。
自分の英語力は、オンライン英会話でチェックすることが可能。無料レッスンで試してみるのもおすすめだ。
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- 海外赴任のために英語力をつけるのにおすすめのスクールは?
- 短期間で英語力をつけるには、プロの力を借りよう。オンライン英会話であれば、海外赴任後も継続して英会話の学習ができる。海外赴任のための英語学習は、ビジネス英語を学べるオンライン英会話がおすすめだ。
・産経オンライン英会話PLUS…短期集中型のコーチングプランあり
・ビズメイツ…ビジネス特化のオンライン英会話、月単位のコーチングプランあり
・レアジョブ スマートメソッドコース…4ヶ月の集中プログラム
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