男の隠れ家の神出鬼没な編集者・田村巴は年がら年中“休肝日”がない生粋のお酒好き。そんなほろ酔い編集が美味い酒を求めて今宵もぶらりと旅に出る──。
本格的な燻製のお酒を呑んだことはありますか? 料理とお酒、燻製づくしの今回は、ざっくり燻製酒レシピも聞いてきました!
※この記事は2025年8月号に掲載されたものです。
ほろ酔い編集・田村巴のちょっと一杯やらないか? 第19杯
突然ですが「燻製」と「薫製」、どちらも「くんせい」と読みますが違いはあるのでしょうか? 気になって調べてみたところ意味合いに大きな差はないそうです。
考え方によっては「燻」は火偏なので熱燻や温燻、「薫」は冷燻と調理法で使い分ける場合もあるそうな。いやはや、漢字一つとっても奥が深いね、燻製。というわけで今月は手間暇かけて作る燻製料理と燻製酒を味わいます。

やってきたのは、栃木県宇都宮市。「燻製RESTAURANT&BAR SMOKEMAN」は創業から10年目を迎える燻製専門のレストランバーです。
この店のオーナーシェフである大倉礼生くんとは、実は長い付き合い。出会ってから25年は経つでしょうか。今でこそ編集者っぽい(?)田村ですが、当時はバイク好きの風来坊。
溜まり場のようにして仲間たちと足繁く通った、今はなき世田谷駒沢のカフェで店長を勤めていたのが彼なのです。いやぁ、懐かしい! そんな彼が10年前に故郷の栃木県へ帰りオープンしたのが、このお店。
都内の有名燻製料理店で修業し、宇都宮で初となる燻製の専門店を開業すると聞いた時は、嬉しさ7割、寂しさ3割だったのを思い出します。

さてさて、そんなこんなですっかり大人になった我ら、腕と味は確かな彼の料理と酒で、再会を祝して乾杯です。
SMOKEMANでは自家製の燻製ドリンクを常時8種用意していて、そのどれもが想像以上に手間をかけて作っています。
「燻製タリスカーハイボール」(850円)は、燻煙を溜めた容器の中にタリスカーを入れ、香りをお酒に纏わせる工程を何度も繰り返し行っているとのこと。
ただでさえスモーキーな香りが特徴のタリスカーがさらに奥深い味わいに。燻製した胡椒をスパイス代わりに振ることで、ピリッとしたアクセントが加わり絶品です。


礼生くんが呑んでいる「燻製生レモンサワー」(700円)、これも相当美味しい。細かくカットした生レモンを燻製して、ミキサーで細かくしてから焼酎やシロップに漬けて寝かせたあと濾してレモンサワーの素を作り、残ったレモンの皮や実の部分は凍らせて上から乗せることで、すり下ろしレモンサワーのような食感も楽しめる至極の一杯。
ほら、皆さんも呑んでみたくなったでしょう? 本当に美味しいんだから。
一緒にいただくお料理も最高。燻製と聞くとキャンプで失敗しがちな、燻香が強くてまっ茶色でエグ味のある料理をイメージするかもしれませんが、ここの料理は本物です。

「燻製の前菜盛り合わせ」(1680円)は、ホタテや生タラコ、レーズンバター、生ハム、オリーブ&トマトなど、上品に香り付けをした逸品が並びます。
「食材によって色々な方法で燻製をしますけど、うちでは燻製の香りがガツンとくるのではなく、燻製することで素材の旨みを斜め上に引き出すイメージで作っています。
お客さんの中には『燻製っぽくないね』と言う方もいるんですけど、香りの強い“燻製感”が全てではないと思っています」

低温で16時間かけてじっくり燻製した「焼きチーズ」(650円)も、外せない一品。提供前に両面を軽く焼いて、外はカリッ、中はトロ〜で最高のやつ。田村の人生で一番好きなチーズはコレです。冗談抜きで、おかわりまでして、ずっと食べていられます。
それから「“とちぎ霧降高原牛”モモ肉の燻製ステーキ」(2400円)も必ず食べてほしい料理。ダッチオーブンで提供され、トリュフ風味の燻製卵ソースにお肉を潜らせれば、そこはもう天国。圧倒的な肉派ですが、肉好きで良かったと心底思う、ご馳走です。

ところで、自宅で簡単にできる燻製酒のレシピとか、教えてもらえますでしょうか?
「簡単なのはレモンをカットして燻製しちゃう。中華鍋みたいな深いお鍋でチップを使って熱燻。煙が出てきたらボウルを被せて3分、火を消して3分。その後、30分くらい寝かせてからお酒に搾り入れたら美味しいですよ」
な、なるほど。簡単……かどうかは別として、一回キャンプやBBQでチャレンジするのもいいですね。皆さんもぜひ試してみて!


1品1品、時間と手間をかけて燻製するため、そう簡単に真似できない燻製の味が実現するんだなぁ、と感心。
燻製RESTAURANT&BAR SMOKEMAN
オリジナルの燻製料理と燻製酒!
宇都宮市で燻製一筋に10年、週末はもちろん平日もここでしか味わえない燻製を求めるお客さんで賑わっています。煙の味が濃すぎず、ふんわりと香る美味しい料理とお酒をぜひ。
ちなみにスタッフ皆さん、聞けば色々と燻製のやり方を教えてくれます。惜しげもなくお店のレシピまで語ってくれるので、商売仇に味を盗まれないか心配になるほど。
現在、本格的なテキサスBBQ料理を提供する薪サウナ「WALLOWS(ワロウズ)」を塩谷町で開業。栃木に行ったらぜひ、どちらもお立ち寄りを。

燻製RESTAURANT&BAR SMOKEMAN
栃木県宇都宮市馬場通り3-1-21
馬上ビル2F
TEL/028-612-8372
営業時間/17:00〜23:00(L.O 22:00)
定休日/火曜
https://www.smokeman.restaurant/
【著者プロフィール】
田村 巴(Tomo Tamura)
1979年北海道出身、フリー編集者。長年「男の隠れ家」に携わり現在は「男の隠れ家デジタル」編集長も務める。毎日の晩酌が人生をより良くすると信じて疑わない。
文/田村 巴 撮影/Noriy.k
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1979年、北海道出身。バイク(チョッパー)専門誌「HARD CORE CHOPPER」、フリーペーパー「MOLE Magazine」、ライフスタイル誌「男の隠れ家」を経て、現在は「男の隠れ家デジタル」編集長。
バイクやクルマでの日本一周・目的を決めない旅が趣味。好きな分野は「飛行機」「クルマ旅」「地方の土着的な風習や歴史」「ミステリー」など。UFOや都市伝説に興味深々。好きなものは「巨大建造物」「道の駅・SA(道の駅きっぷ収集)」「キャンプ」「ガジェット」「カメラ」「ボストンテリア」。
